≪イベントカレンダーを観る≫
2025年10月19日
安房国札三十四ヶ所観音霊場 午歳御開帳
安房国札観音霊場では、令和8年に午歳御開帳を開催することが決定しました。

御開帳期間 令和8年3月28日(土)~4月18日(土)
札所数 37(番号付き札所 34 客番・番外札所 3)
開創年 貞永元年 1232年
前回(令和3年)の丑歳御開帳は、コロナ禍で開催中止となったため、12年ぶりの御開帳となります。
安房の国札三十四カ所観音霊場巡礼は、鎌倉時代、悪疫が流行し、飢饉にも襲われるなど、世情が惨憺たる有様だったことに心を痛めた高僧たちが、安房国内に奉安する観世音菩薩にご詠歌を奉納し、厨子の帳を開いて巡り、拝んだことに始まるといわれています。観世音菩薩は、日本では古代より広く信仰の対象となり、観音様として一般に親しまれてきました。観世音は衆生を救うため相手に応じて三十三の姿に変身して救済の手を差し伸べるといわれています。はじめは一部の修験者、修行者が諸国の霊場を巡って信仰を深めるとともに、巡礼そのものが修行でした。室町時代の半ば以降は一般の信者も巡礼を行うようになり、平和が長く続き、街道が整備された江戸時代になると盛んになりました。
巡礼者たちは、笈摺(おいずる)という袖無しの白い羽織、白い脚絆と手甲をつけ、金銅杖に数珠や鈴などを持ち、お経や札所ごとに定められたご詠歌(巡礼歌)を唱いながら巡礼しました。胸には札箱、または紐に通した木札をかけ、この札を霊場に一枚ずつ納めながら巡礼していきました。
ご詠歌とは、霊場の巡礼者や浄土宗信者の歌う、仏や霊場をたたえる歌です。寺ごとの特徴や、祀られた観世音菩薩の功徳を讃えます。各寺ごとに存在するご詠歌を歌いながら、意味を噛みしめ風情を感じるのも、巡礼の楽しみといえるでしょう。
安房の観音霊場の御開帳は五、七年ごとで、丑歳と午歳に開かれます。巡礼は、以前は七、八月の夏季と三、四月の春季の年二回、開帳期間を定めて行われていましたが、近年は春季一回になっています。建てられてから数百年が経過した堂宇、古人の魂が籠った彫刻、太古以来の自然と巨木、修行者たちが眺めたのとほとんど変わらない絶景、都会の喧騒にはない静寂が一体となり、非日常の空間と時間からパワーをもらうことができます。昔ながらの空気を五感で感じる贅沢な「巡礼の旅」を体験してみてはいかがでしょう。
安房観音霊場巡りは、札所の番号順に巡礼するのが基本です。順番通りなら一番の那古寺から打ち始め三十四番の滝本堂で結願となります。
01 補陀洛山 千手院 那古寺 館山市那古1125 補陀落は 他所にはあらじ 那古の寺 岸打つ波を 見るにつけても
02 潮音山 秀満院 新御堂 館山市亀ケ原54 新御堂(にいみどう) 見上げて見れば 峰の松 くびこい鶴に 亀戸の水
03 船形山 普門院 大福寺 崖観音 館山市船形835 船形へ 参りて見れば 崖作り 磯打つ波は 千代の数々
04 岩峰山 真勝寺 南房総市富浦町青木173 遥々と 上りて見れば 真勝寺 巡礼道も たのもしきかな
05 海恵山 興禅寺 南房総市富浦町原岡275 寺を見て 今は盛りの 興禅寺(こうぜんじ) 庭の草木も 盛りなるもの
06 海光山 長谷寺 安房郡鋸南町勝山409 長谷寺へ 上りて沖を 眺むれば にはまの浦に 立つは白波
07 瑞雲山 天寧寺 安房郡鋸南町下佐久間3180 丁寧寺(てんねいじ) 聞いて訊ねて 来てみれば いつも絶えせぬ 松風の音
08 乾坤山 日本寺 安房郡鋸南町元名184 遥々と 上れば日本の 山降ろし 松の響きも 実りなるらん
09 鹿峰山 信福寺 安房郡鋸南町大帷子637 信福寺(しんぷくじ) 上りて岸を 眺むれば 保田の川瀬に 立つは白波
10 金清山 往生寺 安房郡鋸南町上佐久間1241 往生寺 上りて見れば 千種の花 いつも絶えせぬ 法の声かな
11 奇雲山 金銅寺 安房郡鋸南町上佐久間1977 遥々と 上りて見れば 金銅寺 萩の柱は 五六千本
12 富山 福満寺 南房総市合戸569 重くとも 軽く上れや 富山へ 四方浄土を 見るも極楽
13 鳥数山 長谷寺 南房総市下滝田486-1 分け行きて 来たりて見れば 西の谷 長谷寺(ちょうこくじ)とは 名所なるもの
14 朝日山 神照寺 南房総市平久里中205 朝日差す 夕日輝く 神照寺 頼みをかくる 伊予の夕立
15 大嶺山 高照寺 南房総市山田1162 大杉へ 聞いて訊ねて 来てみれば 仏の誓い 新たなるもの
16 石間寺(東陽山 小原寺) 鴨川市下小原374 石のつま 峰より落つる 滝の水 結ぶ心は すずしかるらん
17 千光山 清澄寺 鴨川市清澄322-1 吹き払う 月清澄の 松風に 浜より沖に 立つは白波
18 石見堂 鴨川市貝渚2261-1 石見堂 参りて沖を 眺むれば 舟に宝を 積むぞ嬉しき
19 補陀落山 普門寺 南房総市和田町中三原270 普門寺へ 檜原松原 分け行けば 恵みも深き 岩屋なりけり
20 長安山 東光院 石堂寺 南房総市石堂302 ただ頼め 千手の誓い 両助け 二世安楽を かけて頼めよ
21 長楽山 智光寺 南房総市山名1370 光明寺 のぼり長閑けき 春の日に 山名の花の 散るぞ惜しさよ
22 道場山 護穀寺 勧修院 南房総市上堀35 朝日差す 夕日輝く この堂へ 参る人こそ 仏なるらん
23 金剛山 宝珠院 南房総市府中687 尼寺へ 参る我が身も 頼もしや 花のお寺を 見るにつけても
24 平尾山 延命寺 南房総市本織2014-1 平尾山 登りて見れば うどの原 出世はここに 七夕の松
25 高倉山 真野寺 南房総市久保587 夜もすがら 真野の入り江の 松風に 尾花ぞ見ゆる 秋の夕暮れ
26 檀特山 医王院 小松寺 南房総市千倉町大貫1057 小松寺と 聞いて訊ねて 来てみれば 不思議なるもの 乙王が滝
27 中嶋山 住吉寺 南房総市千倉町南朝夷1353 中嶋へ 参りて沖を 眺むれば いつも絶えせぬ 波の荒さよ
28 福聚山 松野尾寺 館山市神余4612 重くとも 罪には法の 松野尾寺(まつのおじ) 仏を頼む 身こそ頼もし
29 金剛山 慈眼寺 金蓮院 館山市犬石379 ずんといり 見上げてみれば 飛錫塚 極楽浄土は 犬石の堂
30 妙法山 観音寺(養老寺) 館山市洲崎1331 観音へ 参りて沖を 眺むれば 上り下りの 舟ぞ見えける
31 普門山 長福寺 館山市館山928 観音へ 参りて沖を 眺むれば 岸打つ波に 舟ぞ浮かぶる
32 金剛山 小網寺 館山市出野尾859 遥々と 登りて見れば 小網山 鐘の響きに あくる松風
33 杉本山 東福寺 観音院 館山市西長田372 故郷を 遥々ここに 杉本へ 我が行く先は 近くなるらん
34 高倉山 大山寺 滝本堂 鴨川市平塚1718 極楽の 御法はここに 大山の 千手の誓い なおも頼もし
35 震災観音堂 館山市北条2549-4 泡やとて 立つ間無き間に 消ゆる身は 同じ蓮の 花の台に
36 福聚山 観音寺 安房郡鋸南町保田335 ありがたや 真の道に 手引きして 深き縁を 結ぶ御仏
37 大黒山 大智庵 水月堂 安房郡鋸南町勝山406 ありがたや 千手の糸を つずみ来て 慈悲の御下で 今ぞ着るらん
お問い合わせ
安房国札観音霊場会事務局
館山市那古1125 那古寺内
TEL 0470-27-2444










